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処遇改善加算(介護・障害福祉)
〇 処遇改善加算
処遇改善加算は、介護や障害福祉の事業所で働く方々の賃金水準の向上のために使用する目的で申請することで受けられる加算です。従来は「処遇改善加算」「特定処遇改善加算」「ベースアップ加算」の三本立てで構成されておりましたが、令和6年6月以降は一本化(以後新加算とします)されることとなりました。
処遇改善加算とは、介護・障害福祉職員の処遇改善のために設けられた加算ですので、加算を受けた場合は、全て賃金月額の増額または賞与といった一時金で支給する必要があります。もし支給しきれずに、余りが出た場合は、返金しなければならない場合があります。
事業所様におかれましては、正しい知識を備え、適宜必要な手続きを行う必要がありますし、毎月の給与計算時に「誰に」「いくら」を配分するかを予め明確にし、職員様方に周知を行う必要がございます。
弊社ではこの処遇改善加算が「処遇改善助成金」と言われていた時代から、給与計算の代行に付随するサービスとして、この処遇改善加算の計画書の作成・提出、実績報告書の作成・提出、及び配分方法に関するご提案などを承って参りました。
下記に、簡潔にではございますが、処遇改善加算の概要をご紹介いたします。
ご不明な点はお問い合わせ下さい。
まず、新加算はⅠ~Ⅳまでの段階に分かれ、Ⅰが最も高い加算率となります。また、激変緩和措置として令和6年6月から令和6年度末までの経過措置区分として、従来の3加算(処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ加算)の取得状況に基づく加算率を維持した上で、今回の改定による加算率の引き上げを受けることができるよう、新加算V(1)~(14)が設けられます。
処遇改善加算は、以下の3つの算定要件で構成されます。
① キャリアパス要件
② 月額賃金改善要件
③ 職場環境等要件
① キャリアパス要件の詳細
(キャリアパス要件Ⅰ)新加算Ⅰ~Ⅳに必要
職員について、「職位」、「職責」、「職務内容」等に応じた任用要件を定めに、それらに応じた賃金体系を整備すること。
(キャリアパス要件Ⅱ)新加算Ⅰ~Ⅳに必要
職員の資質向上の目標や以下のいずれかに関する具体的な計画を策定し、当該計画に係る実施研修の実施又はその機会を確保すること。
a 研修の機会の提供又は研修指導等の実施、職員の能力評価
b 資格取得支援(勤務シフト調整、休暇付与、費用援助等)
(キャリアパス要件Ⅲ)新加算Ⅰ~Ⅲに必要
職員について以下のいずれかの仕組みを整備する。
a 経験に応じて昇給する仕組み
b 資格等に応じて昇給する仕組み
c 一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み
(キャリアパス要件Ⅳ)新加算Ⅰ・Ⅱに必要
経験・技能のある職員のうち、一人以上は賃金改善後の賃金額が年額440万円以上であること。(ただし、小規模事業所等で加算額総額が少額である場合などは本要件は適用が免除されます)
(キャリアパス要件Ⅴ)新加算Ⅰに必要
サービス類型ごとに一定割合以上の介護福祉士等を配置していること。
② 月額賃金改善要件の詳細
(月額賃金改善要件Ⅰ)
新加算Ⅳ相当の加算額の2分の1以上を月給(基本給又は決まって毎月支払われる手当)の改善に充てること。
(月額賃金改善要件Ⅱ)
前年度と比較して従来の「ベースアップ等加算」相当の加算額の3分の2以上の新たな基本給等の改善を行うこと(従来のベア加算が未算定の事業所のみ適用)
③ 職場環境等要件の概要
賃金改善以外の職場環境の向上に資する取り組み(6区分)を、受ける新加算の種類に応じた数(新加算Ⅰ・Ⅱの場合は6区分ごとにそれぞれ二つずつ、Ⅲ・Ⅳの場合はそれぞれ一つ(区分「生産性向上」は二つ以上))実施すること。
ここではよくあるご質問をご紹介します。
例えば、従来「処遇改善加算Ⅰ」「特定処遇改善加算Ⅰ」「ベースアップ等支援加算」を受けられていたのであれば、新加算のⅠを受けられると見込まれます。「処遇改善加算Ⅰ」と「ベースアップ等支援加算」を受けていたのであれば、新加算として見込まれるのはⅢです。このように、まずは現状の処遇改善加算等の何を受けていたのかによって、自社に適合する新加算を申請するようにしましょう。
従来、処遇改善加算は介護や障害福祉の業務に直接かかわる職員にのみ分配できるとされており、いわゆる「事務員」などは、「特定処遇改善加算の一部」や「ベースアップ支援加算」しか分配できないといった非常に細かいルールがあり、これによって不公平感などの支障が生じるケースもありました。
新加算ではここが緩和され、介護や障害福祉人材への分配を基本、特に経験・技能のある職員に重点的に配分すること、としながらも、事業所内で柔軟な配分を行うことが認められました。これによって、個々の事業所の実情に沿った、実効性の高い分配が可能となったといえるでしょう。
処遇改善加算は、従業員の処遇を改善するためのものですので、会社にとっての経済的なメリットはありません。ただし、処遇改善加算を支給することにより、会社の負担する社会保険料が増額になる部分については、処遇改善加算で補填することが可能です。
また、役員への支給は基本的にはできませんが、従業員兼務役員として、役員でありながら従業員として介護や障害福祉の業務を兼任しているような場合は、支給対象となり得ます。ただし、代表取締役はいかなる場合も対象とはなりません。
会社や役員にとって、メリットがないのであれば何のために面倒な手続きを踏んでまで処遇改善加算を受ける必要があるのかというご意見もありますが、処遇改善加算を取ることにより、従業員に対して支給することのできる給与の総額が増えることにより、採用力を強化できるという間接的な効果が見込めますし、逆の言い方をすれば、処遇改善加算を申請しないことにより、支給することのできる給与の金額に差がつき、人材が流出することにもつながりかねません。
以上、現状の処遇改善加算の諸制度についてご紹介いたしましたが、一言で表現すれば、「非常にわかりづらい」と思います。これは処遇改善加算の制度一つ一つが、平成21年に「処遇改善交付金」としてスタートしたのを皮切りに、平成24年4月には処遇改善加算、令和元年10月には特定処遇改善加算、そして令和4年10月にベースアップ等支援加算と、段階的に処遇改善が実施されてきたことに起因しますが、関係事務に携わってきた方にとっては。ついていくのは本当に大変だったと思われます。
「面倒だからいいや」「やりたくてもやり方がわからない」と、申請をしていない事業所様も数多く存在すると思われます。
当センターでは、そのような事業所様を手続きや給与計算の代行を通じて、全力でサポート致します。
給与計算の代行事務を同時にお任せ頂く場合に限らせて頂きますが、各種「計画書」「実績報告書」の作成、提出代行も承ります。
各種処遇改善加算は、事業所にとっては経済的なメリットは殆どないものの、申請しないとなると、申請している事業所に比較してどうしても支払える賃金額が見劣りしてしまい、人材を採用できない、最悪の場合、流出してしまうということにもつながりかねません。
処遇改善加算を申請したいけど難しくて困っている、面倒だから外部に委託したい、といったご要望をお持ちの事業所様は、是非一度お問い合わせください!
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